お酒のことならくみたけほんてん

松江市東出雲町の酒店です。ウィスキー、ワインと豊富な品揃えです。
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組嶽本店の香
 
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    組嶽本店の香  No.3 2003年2月号    
         
 意外に評判がいいのでびっくりしていますが、基本的にあまり考えて書いてないので商品の質問のほかは、ノークレーム、ノーリターンでお願いします。
 

<バレンタインデー用のミニチュアセット>

・ジャックダニエルミニチュア&ショットグラス 998円
・アーリータイムス 998円
・シガーとバランタインのセット 840円 ※オリジナルです(大人のギフトって感じ)

 

組嶽本店では樽出しウイスキーの量り売りをやっています。

・ボウモア 57% 香りの強いクセのあるタイプ
・オーヘントッシャン 57% エレガントでやわらかいタイプ
・グレンギリー 57% コクがあり余韻の長いタイプ

100mLで各1,533円

※原酒で無ろ過なので少しススが入ります。

 

<SHOP インフォメーション>

「大正倶楽部」(伊勢宮)

 松江で一番洋酒の品揃えが豊富なお店です。お酒の勉強がしたい方は、ぜひ行ってみてください。渡辺さんいつもお世話になっています。

TEL:26-6665

 

<お酒と音楽>

「ベティーブルー」 GABRIEL YARED

・10年位前に僕がミニコミ紙に書いた原稿です。

 南仏プロヴァンスあたりのさびれたバンガローにベティがやってくる。そこから始まるベティーとゾルグの恋物語だが、彼らはよく酒を飲み、笑う。一緒に生活を始めた最初の夏の夜、海辺にはメリーゴーランドが回り、長い夕暮れ時を二人は「テキーララピド」を飲みながら過ごす。簡単なカクテルでテキーラにトニックをくわえコースターまたはナプキンで、それらがないときは手で蓋をして机にたたきつけ、泡立てて一気に飲む。飲んだらまた作る。ゾルグの家にはクエルボのボトルがゴロゴロ転がっている。
 ベティーはとても情熱的だ。感動をストレートに伝える。ベティーは彼の作家の才能をみつけて二人でパリに出る。パリのバーでゾルグがテキーラを注文するが、あいにくなくて、しかたなしにパスティスをトリプルで注文する。パスティスは、ペルノーリキュールの水割りで水を入れると乳白色に変わるお酒だが、味は日本人にはたぶんあわない歯磨き粉のような味である。ペルノーは昔アブサンといって、イミテーションはともかく、本物のアブサンは今はもう造っていない。「にがよもぎ」の仏語が「アブサント(アニゼット)」になった。1884年フランス軍はアブサンを解熱剤として使用していたが、常用していたものに異常がみられ1915年に製造販売を禁止した。アブサン(=悪魔の酒)中毒につかれた者は、幻覚、躁鬱、錯覚、不能などの症状にみまわれた。この酒でランボー、ヴァン・ゴッホ、ロートレックなどが狂い死にしている。そのペルノーの水割りをフランス人はデカダンスを感じ愛飲している。
 パリでも「テキーララピド」を飲むシーンがあるがクエルボがマリアッチに変わっている。マリアッチの由来は、マリッジ(結婚)のメキシコ訛りで、二人の明るい将来を感じさせるが、このころからベティーは少しおかしくなり、ゾルグの小説をけなした出版者の家へ行きコームで彼の顔を切りつける。その事件でゾルグが警察で取調べ中、刑事がゾルグの気持ちをわかってくれて勧める酒がウォッカ、ビボロワ40℃だった。これはポーランドウォッカで生前ピカソが「この50年ですばらしかったことは、ブルノスとキュビズムとポーランドウォッカを知ったことだ。」と語った、ライ麦からつくったウォッカである。二人は互いを信じあい、やがてベティーは赤ちゃんが出来たと思いゾルグに言う。ゾルグはお祝いにシャンペンを二本買うが、結果は陰性で、望んだことがすべてかなわないベティーはついに精神を病んでしまう。ラストは、ゾルグのベティーへの愛の強さが伝わってくる。
 さいごに「テキーララピド」のおいしい飲み方を綴っておこう。テキーラは何でもいいが、トニックはシュウェップスでやるのが最高である。ポイントはそう、バカ笑いをしながら飲むことだろう。

 
 
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